転職します

転職活動を始めてみた。

人生において仕事が占める割合は多すぎる。その仕事で神経をすり減らし、週末は家で寝ているだけの人生に嫌気がさしたのだ。

実際に転職活動を始めてみて思ったのは、世の中にはたくさん仕事があるってことと、その求人の大半は”僕向け”ではないってこと。悲観的かつ消極的、基本的に受け身のスタンスなんだけどそれは自分が傷つきたくないというプライドの高さから。そんな僕を採用したいという企業はほとんどいない。大学を卒業してから特殊なスキルを身につけてさえいれば、少しは需要があったかもしれないけれど、文学部を卒業後、適当に入った建設会社で3年間事務職を務めた社会人男性の需要はほとんどない。

転職サイトに登録してから3ヶ月が過ぎたが、仕事の忙しさを理由に履歴書を書くのをさぼり続け、未だにエントリーしたのは3社のみ。1社は社員8人の小さな会社で、正直その程度の企業が自分の身の丈にあっているのではないかと思って応募した。業務内容には全く興味はないし、求人情報に載っていた給与面もだいぶ不満だった。

昔から自分を卑下し過小評価してきた結果、変な弱小企業の面接にいくことになったのだ。なぜ今の職を捨てて、その小さな会社への転職を望むのか、その答えが出ないまま面接を受けてしまった。

結果は不採用。自分への評価が”過少”ではなかったことを思い知らされたし、大学生の時に経験した就職活動の嫌な思い出が一気に蘇った。正直、これ以上違う会社を受けても自分の価値を思い知らされるだけだし、無駄にプライドが傷ついてしまう。このまま退屈ではあるけれど、慣れた職場で一生を終えるのも悪くないと思ってしまう。思えば僕の人生はこの逃げを繰り返し続けてきた人生で、もう25年が経っていた。というか4月で26年になる。

自分の価値とはなんだろう。このまま適度な給料で慣れた同僚たちと退屈な業務を毎日こなす。月曜日が来ると憂鬱になり、土曜日になるのをただ待ち続ける。たまに来る祝日を自分へのボーナスだと思い、家で寝て過ごす。社歴とともに自動的に上がっていく自分への評価を、人間的な価値だと思い込み、自分をごまかしながら働き続ける。こんな場所では自分の価値は証明されないし、やがてはそんなことすら考えなくなってしまう。

自分の中に残っている”若さ”が、転職活動をしろと訴えてくる。このまま何にも挑戦しないで一生を終えたら、必ず後悔してしまう。ほどほどの人生を求めれば、それ以下の結果しかついてこないだろう。幸い僕はまだ26になるところだ。武器はこの若さだけ。転職市場に打って出るには心もとないけれど仕方ない。全ては自分の幸せの為に。自身の価値の発見の為に。そして月曜日が憂鬱にならない人生の為に。